80年代初めのサーフムービーの名作「ストームライダース」がDVD化された。当時、未開の地であったスマトラのジャングル、ジャワ、バリ、アフリカ、ハワイ、そしてオーストラリアの人里離れた砂漠など、5大陸をサーフィンするストームライダー達。サーフィンの黄金期のサーフスターであるマーク・リチャーズ、ウェイン・リンチ、ウェイン・ラビット・バソロミュー、ジェリー・ロペス、ショーン・トムソン、トム・キャロル、ソートン・ファレンダー、ジョー・エンゲル、モーリス・コール、ピーター・マッケイブ、テリー・フィッツジェラルド、テリー・リチャードソンなど豪華メンバーのサーフィンが蘇る。まさに永遠のアドベンチャー・サーフィンフィルムの代表作だ。
「ストームライダース」のコンセプトは、ニュー・プレイス、ニュー・フェイス。未開のサーフポイントをソウルサーファーが滑る。一方では1981年、歴史的大波で開催されたベルズビーチやバリ島でのコンテスト等、時代の分岐点にある瞬間も捉えている。バリ島でコンテストが開催される頃、すでにポピュラーなディストネーションとして定着、ハードコアなサーファーは更なる奥地のバージン・ウェーブを探し求めた。添田博道、蛸操ら日本人プロが出演するニアス、グラジガンのジェリー・ロペス、「アジアの時代」が始まったのもこの頃のことである。
音楽はドアーズの「ライダース・オン・ストーム」が使用され話題になったが、他は全てオーストラリアのバンドで固められおり、メン・アット・ワーク、リトルリバー・バンド、ムービング・ピクチャーズ、スプリット・エンド、チャーチ等、BGMも非常に印象深い作品だ。制作にあたったディック・ホールとジャック・マッコイのコンビは、1977年に「チューブラー・スウェルズ」を世に送り出し、今も世界をリードするオーストラリア・サーフィン・フィルムの最前線にいる。

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