更新日: 2006年9月15日 (金) 10:40




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9月14日 木曜日

昨日心配してた通り、波はすっかりダウン。おまけに朝から風も吹いていて、サイズは腰とか?? ま、セットで胸? なんかそういう情けないコンディションにつき、本日のラウンド3はナシ。代わりに11時からちょっと変わったイベントがスタート。Key to the continent と題してWCT各国代表チームチャレンジみたいな。これはこれですごく面白かった。

コンテストフォーマットは2年前にケリーがフィジーでやったインビテーショナルの時に初めて取られたもので、2人一組のチーム戦。今回は南アフリカ、ブラジル、オーストラリア、アメリカ、ハワイの5カ国から各一組、計10人。30分1ヒート。まず最初に1チームだけが海に入ってプライオリティのある15分をやった後に次のもうひとチームが海に入って、プライオリティのある15分、最初に入っていたチームはプライオリティのない残り15分を戦い、次のチームにバトンタッチ。つまり各チームプライオリティのある15分とない15分で30分を戦う。得点は30点満点。ふたりの選手の個々のベストライディングが10点満点×2で20点、残りの10点はふたり一緒に1本の波に乗るチームライドにポイントがつくというもの。そして、各ラウンドの得点はファイナルラウンドまで持ち越しで加算されていく。

これがなかなか作戦その他いろいろあって興味深かった。もっとこのゲームを出場選手以外の選手にも興味深いものにさせたのは賞金の分け方。優勝賞金の2万ドル(約220万)はそのチームの国のWCT選手全員で山分けなのだ。つまりツアーに数人しかいない国は数人で山分け、オージーみたいにたくさんいれば応援も豪勢だけど、賞金の分け前は少なくなるって寸法。これね、選手のブースは盛り上がったよ、バカみたいに。出てる選手はもちろん国旗を背中に背負ってるわけだから真剣だし、もちろん応援サイドもお金がかかってるから熱の入れ方が違う。試合がないにも関わらず、みんな来て応援してたもん。

今回のコンテストディレクターはパット・オコーネルなんだけど、昨年のこのイベントのファイナルでフィル・マクドナルド対ケリーになったとき、オージーとアメリカンの応援合戦を見てて思いついたらしい。世界中のさまざまな国から選手が集まってやってるんだということをみんなに意識させるには、最高の方法だと思ったそうだ。で、その狙いは的中。なんかみんな楽しそうだったな。

南アフリカはグレッグ・エムズリーとトラビス・ロギー、ブラジルはパターソン・ローザとマルセロ・ヌネス、オーストラリアはタジとファニング、アメリカはケリーとテイラー、ハワイはアンディとフレッド・パタッチア。いやいや、みんな見せてくれました。シングルのライディングはまぁ、いつものことなんだけど、見所はふたりで同じ波に乗るチームライド。これは同じ方向に乗らなくちゃいけなくて、ま、ドロップイン状態でライドを続けるもの。ふたりそれぞれのマニューバーも得点の対象になるし、何回もクロスをすればまたハイポイント、ふたりの距離が近ければまたハイポイント。これがすごかったのはアンディとフレッド。ほんとにわずか1‐2メートルぐらいしか離れないで普通にサーフィンしてた。ふたりが交差するのも体がぶつかりそうだったし。でももっと上手かったのはタジとファニング。後ろでタジがエアーすれば前でファニングがテールスライド、途中のクロスで手をつないでまたライディング続行。結局このチームライドが決め手になって優勝はオーストラリア。当然オージー応援団の盛り上がりはすごかった。

でもねぇ、あの人たち、サーフボードって本当に体と一体なんだね。あのさ、カットバックしてる途中でとか、リップの途中でとか、板止められる?? 技の途中ですぐ前や後ろにいる人とタイミング合わせられる?? F1レーサーがミリ単位で車をコントロールできるように、あの人たちはどうやら滑ってるサーフボードをミリ単位でコントロールできるらしいんだな。なんか、その辺がすごかった。ま、これはあのレベルがやるからできるんだし、見てても面白いわけであって、ミリ単位のコントロールの出来ないサーファーは怪我のもとなので、真似しないほうがいいと思う。きっと見ててもつまんないし。

さて、波はこれをやってる間に少し上がってきたし、明日は何があってもやらねばなので、明日ラウンド3、明後日ファイナルデーということで……。しかし、これ、面白かったな。

各国代表チームチャレンジ
盛り上がるブラジルチーム
アンディはフレッドと
明日は何があっても
photo by ASP


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