「ムラサキプロ KITAIZUMI」最終日。メンズ・2スターイベントは辻裕次郎が優勝。ジュニアは高橋健人、カデットは大原洋人、ガールズは高橋みなと、LQSはカイ・サラスと吉川広夏。(8/22)

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ASPジャパンツアー「Malibu presents MURASAKI PRO KITAIZUMI」

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2010年8月18日(水)〜8月22日(日)福島県南相馬市北泉海岸

「ムラサキプロ KITAIZUMI」最終日。メンズ・2スターイベントは辻裕次郎が優勝。ジュニアは高橋健人、カデットは大原洋人、ガールズは高橋みなと、LQSはカイ・サラスと吉川広夏。(8/22)

x2_26d5ccf.jpgカイ・サラス photo;YAMAMOTO

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x2_26d5895.jpgWQS WINNER photo:YAMAMOTO

【福島県南相馬市北泉海岸(2009年 8月20日日曜日)】ASPジャパンツアー「Malibu presents MURASAKI PRO KIAIZUMI」は最終日。昨日までの風は止み、早朝から真夏の日差しが照りつけた。朝は潮が引いていたため、ワイドで早い波が目立ったが最終日に相応しい、白熱したヒートが繰り返された。

WQSファイナルは田嶋鉄兵と辻裕次郎。同じ3Tのメンバーで、ASPの世界戦も一緒に回っている親友同士。いま日本のサーフィン界を牽引するふたりのファイナルとなった。

スタートからセットが入り、レフトの波で素晴らしライディングを見せるふたり。テッペイはストレートアップのバックハンドで高得点を、裕次郎はエアリアルマニューバーで応戦する。裕次郎はフロントで5.75、バックハンドで7.25をスコアして、さらにフロントサイドでビッグエアをメイクし、8.75をスコア。前半から大きくリードした。

イベントを通して、アーリーウープやビッグフローターなど、フリーサーフィンを楽しんでいるかのように自分のサーフィンを繰り出していた裕次郎。終盤に入り、テッペイも6.25をスコアして追い上げ、セットの波でストレートアップのバックハンド・リエントリーをメイクし、8.00をスコアし差を縮めるが、そこでタイムアップ。

優勝した裕次郎は、セミファイナルでノーズを折ってしまったが、そのサーフボードは、鴨川の試合で優勝した時のサーフボード。バックアップのボード使うこと無く、その縁起の良いサーフボードのノーズを修理してまでファイナルに挑み、そのサーフボードで2勝目をあげた。「世界を回ってきた結果が少しづつ出てきたかなって感じです。ファイナルはテッペイ君とだったから、思い切り出来ました。波は、フロントの僕にも早い波だったので、バックハンドのテッペイ君には辛かったと思います。僕は波が変わる前の前半に良い波を取れてラッキーでした」とASP初優勝で国内2連勝の辻裕次郎がコメントした。

アンダー20ガールズ

アンダー20ガールズのファイナルは、大村奈央、野呂玲花、高橋みなと、須田なつき。スタートからポイントを重ねるのは須田だったが、安定感のあるサーフィンを見せる大村が5.00に続き、2.75で逆転。更に3.15をマークし差を広げる。セミファイナルで好調だった野呂、高橋は前半スコアが伸びない。

試合巧者の大村は、ウェイブ・セレクションも良く、確実に2ターンを入れたランディングを見せる。終盤にはバックハンドでハードにリップを叩き4.50をスコアし勝利を固めたと誰もが思った。しかし、ドラマはそこで終わりではなかった。それまで4位だった高橋が終了間際になんと8.00をスコア。4位から1位にあがる大逆転で初優勝を手に入れた。湘南では涙をのんだ高橋がリベンジを果たした。

ジュニア

そしてジュニアは、新井洋人、小嶋海生、高橋健人、大橋海人がファイナル進出。今シーズンがジュニア最後の年となる高橋健人が、スタートからエアリアルマニューバーで6.00をスコア。更にファーストマニューバーからビッグエアを決めた高橋は8.00をマークし、前半から大きくリードする。

WQSでのセミファイナル進出を果たした大橋海人も好調な滑り出し、5.25、7.25をスコアして2位で高橋をピッタリとマークする。新井、小嶋もライディングを重ねるも、スコアが伸びず、前半を折り返す。後半波数が減り、シチュエーションはそのまま。そんな中、小嶋はレフトの波をハードに叩き、5.80をスコアして3位に浮上。大橋海人は一発逆転を狙って、リスクの高いエアに挑むが成功しない。高橋健人は最後に駄目押しのビッグエアを決め、初優勝を決めた。本当に嬉しそうだった。

カデット

カデットでは大原洋人、浜瀬海、渡辺寛、仲村拓久未がファイナルへ駒を進めた。セミファイナルのエアリバースで勢いに乗る仲村が続けてフロントサイド、バックハンドでハードにリップを叩き3.25、5.50をスコア。そのあとの前半から他の選手を圧倒する。

中盤沖でレフトのセットを待っていた渡辺寛が6.85をスコアしトップに躍り出る。大原洋人もフィンを抜く物凄いトップターンで4.75をマーク。更にスピーディなバックハンドで6.55をスコアし大逆転でトップとなる。浜瀬はチャージするもスコアが伸びない。3位の仲村はハイリスクな技に挑み、4.40をスコアして2位に浮上する。残り時間5分、セットの波で渡辺が3.75をマークして逆転で2位に浮上するもそこまで。大原洋人が湘南に続き、2週連続で優勝を決めた。

サンズ・ロングボード・クラシック

サンズ・ロングボード・クラシック・LQSメンズは、カイ・サラスと喜納元輝のファイナル。前半、喜納元輝が美しいカーヴィングのビッグマニューバーでリードするも、サラスは後半に8ポイント台を2本まとめ、ファイナルを圧倒。最終的に喜納を10ポイントが必要なシチュエーションに追い込み圧勝した。

ウィメンズ・ロングLQSは宇井初美、島尻祐子、吉川広夏、丹羽美樹のファイナル。スローなスタート。グレースフルなライディングで吉川広夏がヒートをリード。宇井初美は中盤、バックハンドのハングファイヴ、フロントサイドでビッグフローターを決め、2.50、3.60でトップに躍り出る。

その直後、吉川広夏がハングファイヴからカットバックなどでインサイドまで綺麗に繋ぎ、6.00をスコアしまたまた逆転。2位以下の選手を大きく引き離す。終盤、島尻祐子が追い上げ、フローターを決めるなどしたが、そこまで。高校3年生の吉川広夏が父、吉川竜二プロの血を受け継ぐ、素晴しいサーフィンでプロ初優勝を決めた。

熱い戦いが繰り広げられた今年のムラサキプロ北泉。

熱い戦いが繰り広げられた今年のムラサキプロ北泉。ジュニアに関して3週続けてコンテストが行われたが、日を増す毎に子供たちのサーフィンが成長して行くのを目の当たりにした。非常に将来が楽しみである。WJTのクオリファイはASPより後日発表される。今年の初戦となったメンズの2スターイベントでは、完全にエアリアルマニューバーを入れないと勝てないということが明確になった。ファイナルが良い例で、トリッキーな辻裕次郎のサーフィンがジャッジを含め、ギャラリー達が求めているサーフィンだったような気がする。それをいとも簡単にやってのける裕次郎が今年はこのまま行ってしまいそうだ。

ロングは常連のボンガ、ケコア、ケヴィンが不在のなか行われた今イベント。ちょっと寂しい感じもしたが、カイ・サラスが、それをカヴァーした感じ。ウイメンズは、コンディションによって常に勝ち上がる選手が入れ替わり、植村未来を除いては、本当に強い選手というのは存在しない。だから新しい選手が次々と上位に入り、今回も高3の吉川が優勝した。それは日本に限らず、世界的に言えることだろう。創成期にあたるウイメンズ・ロングボードなだけに、シーンを引っ張る選手の登場が全体を盛り上げるきっかけになることだろう。




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詳細はASPジャパンサイトでもご覧になれます。

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